BLUE STAR|ブルースターマガジン

学生たちを東北へ。きっかけバス山梨、いよいよ発進。

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ブルースターマガジン第4号にて取材させて頂いたきっかけバス山梨。

(きっかけバス山梨については本誌第4号を参考にしてください。配本希望はinfo@valem.jpまで)

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2月25日夜、甲府市内のホテルで出発前のディスカッションが行われました。ツアーコーディネーターと学生約30名はこの夜から4日間かけて宮城県、福島県を回ることになります。出発の前に全メンバー揃っての顔合わせ。山梨学院大学のコアメンバーをはじめ、帝京科学大学、山梨英和大学、身延山大学、都留文化大学、山梨大学と県内6大学から参加。学部はさらに多岐に渡り、法学部から工学部、環境学部や仏教学部まで多様な学生さん達が集まりました。出身も東北から九州まで様々で、普段勉強している分野は違うけれど、それぞれが被災地に対して知識を深め、支援したいと集まった仲間達です。1人1人、順番に自己紹介をしていき参加した動機や今回の活動に参加する意気込みなどを語りました。印象的だったのは宮城県気仙沼出身の学生。参加することに対しギリギリまで迷っていたそうです。被災地が出身地である自分が参加することで、他に被災地に行きたいと思っている人の座席を1名分奪ってしまうことになるのではないか。そう思っていたそうですが、被災地への強い思いから決断しきっかけバスの参加に踏み切りました。自分の出身地が大変な目に合い、復興支援を必要としている状況で、他に参加する可能性のある、顔も存在も知らない人のためを思うことは容易なことではないと思います。今回集まった学生の皆は、被災地を思い、今、僕たち私たちに何か出来ることはないだろうかとその"きっかけ"を掴みにやってきた人達なのだと強く実感しました。

私たちができることはなんだろう?

 

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きっかけバスの学生たちの活動を伝えることもブルースターマガジンの1つの役割ですが、きっかけバスの活動の源である寄付金を集めるための募金箱をデザインし制作しました。震災から3年、一言に支援といってもその形は多様になっています。このプロジェクトの魅力は、被災地にいく学生たちのきっかけづくりを私たち社会人が作ってあげられるところではないかと思います。そうすることで、間接的にではありますが、私たちも被災地の支援に役立てて頂ければそんな思いで、実際に被災地へと赴く学生の皆さんが簡単に組み立てることができるバス型の募金箱を、直接この出発の日に手渡すことができました。他県のきっかけバスグループとのコミュニケーションのツールとしても役立てて頂けると嬉しいです。四角い枠の中にはシンボルである♥マークを各々で書き込めるようにしてあります。この日皆さんの自己紹介の最後に一言、喋らせて頂く機会を頂きました。この時期ちょうど山梨は雪害被害の直後、私が雪害を体験して1番に感じたことはその場にいて被災している人と、そうでない人との災害認識のギャップでした。実際に被災地に足を運び、目で見て、そこに暮らす人達の話しを聞くことは、何よりも生の情報を得ることが出来ると思います。その場所でしか感じとることができないもの、見られないもの、聞くことができないもの、貴重な機会を存分に活かし学びを深めて来て欲しいと、そんな話しをしたような覚えがあります。
期待、不安、緊張、参加した学生たちの表情はその複雑な胸中を物語っているような印象を受けましたが、いざ出発の時刻が近づいてくると、私たちに「行ってきます」と力強い笑顔で応えてくれました。各々の思いを胸に、きっかけバス山梨は甲府を旅立って行きました。

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きっかけバス山梨報告会

 

 

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3月16日、宮城、福島を訪れ、被災地から帰ってきたきっかけバス山梨のメンバーによる報告会が山梨県立図書館にて開催。メンバー以外も自由に参加することができ、今回のメンバー以外の学生、甲府の市議会議員の方や山梨県観光課職員の方も参加されていました。被災地の現状、被災地から学ぶ防災、放射能問題の3部構成。メンバーが実際に被災地を訪れ、感じたことを各々担当する代表のメンバーが発表しそれについて意見交換を行うという形式で報告会は進められていきました。実際にその場に行って見たもの、感じたものは、学生たちの心境に大きな影響をもたらしたのではないでしょうか。前に立って私たちに向けて話す表情は出発前の顔つきよりもどこか逞しく感じられました。学生たちが被災地を訪れ、その事実を風化させることなく伝えることもきっかけバスの大きな役割の1つです。さらに、被災地から学ぶこと。それは、もし私たちが住む山梨の土地に災害が起きた時の対策です。きっかけバスの活動と並行しメンバー2人が市と協力して独自に取材、編集した防災対策の冊子は、山梨近郊の自治体の備蓄や対策について細かく調べてありよくまとめられていました。つい最近では未曾有の雪害になり、自然災害に見舞われることの少ない土地の脆弱性(災害に見舞われることが少ないことはとてもありがたいことでもありますが。)が露見し、あらためて私たちの生活や災害に対する防災意識を見直すいい機会となったのではないでしょうか。地震だけでなく、それに伴う地盤沈下、液状化、さらには、富士山噴火、山津波とよばれる山間部の土砂災害など、山梨で起こりうる可能性のある災害について様々な意見が交わされ、報告会参加者は知識を深めました。

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別室では被災地へ行ったメンバーたちが映し出された写真や、被災地へ行っている間にしたためられたスケッチブック、バス型の紙に貼られたメンバーたちによるメッセージが展示され、活動の様子がありありと伝わってくる内容に、訪れた人々は真剣な眼差しでその足跡を見つめていました。

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自分たちで出来る事を探して動くこと。

 

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学生たちが実際に被災地を訪れて感じたことの中にこのような言葉がありました。私自身が甲府の雪害を通して感じたことの中にも共通しています。雪害のときに不思議と自分の中に湧き上がってきたこの思いは、自分の中のバイタリティとして私の背中を押してくれました。目の前に直面した問題に対し、考え、行動すること。東日本大震災と比較すれば、雪害などほんの些細なことだったのかもしれません。それでも、人命も失われ、数日間、車内や電車内に閉じ込められてしまった人もいるので、災害であることにかわりはありません。これはいかなる状況でも通じることかもしれませんが、良きも悪くも、予想外の事態が起きたときに自分はどうするのか、最善の選択ができるかどうかという状況対応力の必要性は自身の経験から実感しました。予め決められたマニュアルに沿うこと、基本を遵守することは社会で生きていく上でもちろん大切にしなければいけないことです。備えることの重要性はもちろん、時には取るべき行動や出来る事を自分自身で考え、いざ不測の事態が起きたときにも判断出来る能力を身に付けておく必要性を強く感じました。世の中には情報がありふれていて、タップひとつ、スライドひとつで様々な情報を得ることが可能です。その情報を受け入れているだけでは、自己判断能力は麻痺し考えて行動する能力はどんどんと衰えてしまうのではないでしょうか。これは私自身を含め現代社会に生きる全ての人に起こりうる、もしくは既に起きている事象です。なぜ?どうして?時に、疑問を持つことで生まれる好奇心が自分自身にアクションを呼び起こしてくれるスタートアップとして機能してくれます。メンバーの中に、きっかけバスから帰って来てからさらに学びを深めたいと、この報告会の前日に、福島第一原発立ち入り禁止区域付近まで自主的に赴き、周辺地域の人に放射能についてヒアリングしてきたという学生さんがいました。「実際に足を運ぶことでわかることがある。」きっかけバスの活動を通し、その考え方が彼の中に活きているのだと思います。その原発付近の様子、人々の話を彼は私たちに語ってくれました。様々な人や事情が絡み、一個人ではどうにもならない問題ではありますが、問題提起することで、そこには議論が生まれます。議論は人を介して新たな意見や知識、疑問を創り新たな課題や目標、動機を与え、コミュニケーションの場を創作します。大きな池に小石を投げ込んで広がる波紋のように、小さな小さな繋がりから、大きく人の輪も広がっていくのではないでしょうか。隣の人とのつながりやコミュニケーションの重要性を実感したと、きっかけバスのメンバー達も報告会で言っていました。なにか疑問を投げかけ、提起し、行動する、自分が主導となって動くことはとても勇気がいることです。ですがどんな小さなことでも、いざというとき自分や誰かを救う"きっかけ"になるのかもしれません。彼、彼女たちもまた、被災地へ行くきっかけバスの活動から、これからのことや次に繋がる新たな"きっかけ"を見つけることができたのではないでしょうか。

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PHOTO/TEXT=TOMOHISA MOCHIZUKI

きっかけバス募金箱が欲しい、設置して頂けるという企業、店舗様がおりましたら

info@valem.jpまで

きっかけバスについては

メール:kikkakebus.yamanashi@gmail.com

サイト:http://kikkakebus.tasukeaijapan.jp/about/

ブログ:http://ameblo.jp/kikkakebus47/

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